用語録 は行

【腹ぺこの怪物】 (固有名詞/序章)

 魔物とも人間とも違う、得体の知れない怪物の事。その身体は筋肉質な男のそれで見た感じは人間に近い。けれどその顔に感覚器官と呼べるものはなく、爛れた肉の塊が一つ、ぶらりと揺れて垂れ下がっている。人の恐怖や動揺の機微を敏感に察知し、四本足でギクシャクと動く。

 名が表す通り常に腹を減らしているが、口がないため物を食らう術がなく、満たされぬ渇きと飢えに苦しみ続けている。もはやその行動原理に理性はなく、ただ〈竜巻のようなもの〉ともグレイスに称された。


【バリスティック大陸】 (地名/共通)

 世界地図を広げてほぼその中央に位置するのが、このバリスティック大陸である。広大な面積と温暖な気候、肥沃な大地はエクセリアという国を発展させる大きな土壌ともなった。かつてこの大陸にも群雄割拠の時代はあったが、およそ五百年ほど前に平定。以来神聖王国時代の幕開けとなり、エクセリア統治の下、繁栄と平和の時が続いている。他大陸とは海に隔てられており、近隣国との交易には帆船を用いる。


【蛇の道】 (地名/序章)

 主にギルディア中央部を走る、巨大な地面の亀裂の事。灰色の荒野には無数のひび割れが走るが、長年の乾燥によってそれが崩落、深みを増す事により、人の身の丈を超える崖となった場所が〈蛇の道〉と呼称されるものである。

 多くの場合、蛇の道は蛇行した一本道である構造が多く、それが名前の由来となったのだろう。大きなものでは成人の背丈三人分の深さに発展したものもあり、それは魔物除けの通行路としてギルディアに暮らす人々に広く用いられている。

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