異世界で生き残るには? ググれカス!
時野マモ
異世界で生き乗るには? ググれカス!
第1話 異世界で生き残るには? ググれカス!
俺は、薄暗い自分の部屋の中で、そこだけが明るく光るノートパソコンのモニターを憂鬱な気分で見つめていた。
見ているのは大手質問サイトの画面であった。
俺は、自分がそのサイトに投稿した質問に、回答が付いるのを見て、あまり期待しないでおこうと思いつつも、正直少しドキドキしながら慌ててリンクをクリックするのであった。
すると——
----------------------------------------------------------------------------
(質問)
”異世界で生き残るにはどうしたら良いのでしょう?”
「ひょんなことから異世界に紛れ込んでしまった男です。ご多分にもれず、私も、異世界なんて、もしそんなところがあったら、そこで自分がチートできるのだと夢想してたクチですが、実際にそこに行ってみると、力も才覚も平凡な自分では生きていくこともままなりません。もし皆さんがこういう境遇におかれたらどうするでしょうか? 特に経験者の意見を聞きたいと思ってます。よろしくお願いします」
(答)
「はあ、異世界? 厨二乙! 本気で言ってんの? フィクションと現実も区別がつかなくなったお方と存じますが、もし本当にあなたがそうだとしても、回答者の手にはあまる質問では無いでしょうか(w)。
まあ、なんと言いますか……じゃあ、ググれカス!」
----------------------------------------------------------------------------
「はあ……」
なんとも、予想通りの、——この回答を読んで俺は長い嘆息をしてしまうのだった。
だって、
「そんなのとっくにしているよ……」
俺は、憂鬱な気分のまま、大手検索サイトに
そして、役に立つわけもない検索結果を眺めつつ、
「なんでこんなことに……」
俺は、目をつむり体を椅子の背もたれに力なく寄りかかりながら、数週間前に自分の身の上に起きた事を思い出すのだった。
俺はあの日、異世界にやって来てしまったのだった……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます