第36話 紫色の夜7時

夏のさ?夜って明るいよね


そうだけどどしたの、とうとつだね


仕事終わってさ、外に出たの


うん


空が紫色でね


おー


夕焼けじゃないんだよ、日は沈んでるし。7時だし夜の。


日が長くなったねー


もうさ、紫っていろんな色あるでしょ?


あるねえ


紫全色揃えました、みたいな


それは話盛ったでしょ?


まあ少し、いやでもほんとにさ。次の瞬間には暗くなっていくしさ。もうちょっと早く仕事終わってたらもっと違う色だったのかな、とかさ


ふーん、写真撮らなかったの?


ああ撮ればよかったね


なんで、撮らなかったの?


なんでって…なんでだろう。もうただたんに空見上げて、わあ紫だあって思ってそのまま帰ってきた。


バカっぽいなあ。


そうかも。君紫好きでしょ?


好きだけど?


君に早く会いたくなっちゃって。


ふーん、今思いついたでしょ。


そんなことないってー



日が長くなったから

まだおしゃべりしてても大丈夫

夜が短くなったから

まだ眠らなくても大丈夫

まだまだ君といっしょにいたい

まだまだバカといっしょでもいい

夏の夜

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