第32話 おふろ

ぷかぷか浮いている

気持ちいい

自分から落ちていく汚いものもいっしょに

ぬるま湯につかっている

嘘、熱いくらいだけれど

結局あっという間に冷める

追いだきできるけれど

もったいないからしない


あったかい

沈んでいくのは

なんだろう


メガネを外した私の視力じゃ

湯気の合間に見えるのはまるで別人


ちゃぷ

ぽちゃん

自分の声が響く

やけに響く

歌うにはもってこい


いい気持ち

のぼせたのは

なぜだろう


シャワーに紛れて

洗い流せたらいいのになあ

泡の中に閉じ込めて

頭を洗って目を開けたら

バイバイ



あったかいままでおやすみ

さめたころにおはよう


よくねむれるように

おふろにはいろう

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