白い朝

 もしかしたらって思ってた

 でもそんな事ないって思ってた

 だってここ10年以上見た事なかったもの


 その夜はとても静かで

 まるで何処かに音を忘れたみたいで

 何時の間にかグッスリ眠っていたよ


 不思議な明るさが部屋を包み込んだので

 寝ぼけ眼で側にある窓を開けると

 そこには白い朝があった


 世界を塗りつぶした雲はどう何処にもいない

 澄みきった青空が早速色を溶かしていく

 僕はただ呆然と自然のアートに見とれていた


 除雪車が道路を元に戻していく

 でも小さい道はそのままで

 子供達が無邪気に足跡を残していった


 海沿いのこの町でこんな景色はまた当分見られないのだろう

 昼過ぎにはもう影にその名残が残るばかり

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