3-奴隷になった僕
それから、数週間して学校が始まった。
僕は学校にいくのもいやだったし、顔なんかみるのもいやだった。でも、授業にでないわけにもいかず、ひたすら無視することにした。それでも、授業のあとに呼び出され、恐怖を感じ僕は呼び出しに応じた。僕に笑顔を向け、話しかけていた。吐き気がして直視できるものではなかった。だから、そのときあの日のことを親や他の先生に相談しようと思うと切り出した。すると、
「誰が相談にのって、助けてやったと思っている。成績だってどうなるかわからないぞ。」
とい言われ、なにも言えなかった。今思えばそんな恩着せがましい言葉も成績もどうでもよかったはずなのに、その時の僕にとって、親に心配をかけないことと成績を維持することはとても重要なことだった。親からのプレッシャーはなにもなかったけど、そのとき成績が常に学年で3本の指に入っていたから、落とすわけにはいかなかった。そして、なにより僕に襲いかかったのは、恐怖だった。こっちがアクションしたらなにをするかわからないという、恐怖感で僕はそれから冬まで、いいなりとなるのだった。
昼休みには毎日必ずその人のところへ。放課後は呼び出されたら、指定の時間に指定の場所へ。“先生”と呼ばれる人が“学校”でなにを考えていたかしらないが、呼び出されたということは、楽しいおしゃべりをするわけでもなく、勉強するはずがなく、要求されるものはこの僕の”女という体”だった。毎日だ、毎日そんなことが続けば僕の気も狂いそうになっていた。でも、周りには絶対ばれてはいけない。なにをされるかわからないし、それが周りに知られたら、周りからどういう目で見られるのかと思うと怖かった。そんな気が狂いそうでも、いつもと同じようにしていた。そんな気が狂う寸前の僕のはけ口は日記だった。誰にも言えないことを、日記に書くことで少しだけ、気持ちが楽になった。もちろん思い出すのも吐き気がするし、書き残すのもどうかと思ったけど、それをしないと自分の中にたまっていく一方で、その時の僕にはそれしか方法がなかった。
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