第2192話:クルリガ・ファニク~デバフ空間~
超能力者でパーティを組んでみる試みをする会で、あからさまに周りから避けられている雰囲気で隅っこに立っている奴がいたので、どんな能力を持っているのか聞いてみた。
「近寄るだけで調子が悪くなる。俺の能力は状態異常空間を展開する能力だ」
相手の調子を崩す能力か、確かに陰湿なイメージがあって仲間にしたくないような気がするのもわかる。
「具体的にはどう調子が悪くなるんだ?」
「そうだなぁ。俺自身には影響がないから受けたことがあるやつの感想なんだが、身体の節々が痛むようになるとか……息切れしやすくなるとか、寒気がするみたいな」
「しょぼくないか?」
なんというか、本当に陰湿な感じの能力だ……
「症状単体で聞くと戦闘には使えなさそうな気がするだろ? でも実際のところの話、戦闘中に突然風邪の症状が出たらまともに戦えるか?」
「う……それは確かに」
「しかも、戦闘時の高揚みたいなのもキャンセルされるという話だ」
「うあぁ……それはさすがにきつい気がするな……」
アドレナリンの分泌もなく風邪ひいた状態でまともに戦えるかと言うと無理な気がするな。
「そうだろ? 強い能力なんだよこれ」
「なのになんでお前、仲間いないの?」
「それはまぁ……難しいんだよこの能力の扱い。影響が範囲だろ? 敵と味方の区別がつかないから……」
「まさか」
想像している通りなら、絶対に仲間として一緒に戦いたくない奴だ。
「そのまさかでな、俺の近くにいるやつは敵も味方も調子を崩すんだよ……」
「それは確かに仲間として一緒に戦いたくはないかな……」
「わかるけど、そんなこと言わないでくれよ……」
かわいそうだけど仕方ないよ。
「敵と味方を識別して効果を発現させることができるようになってから仲間を探した方がいいんじゃないか?」
「できたら苦労しないんだよなそれ」
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