第2114話:チェルチェル・ポーミィ~幻の鉱物~

「昔探し求めて結果的に見つけることができなかった伝説の鉱石がこの世界にはあるという話を聞いてですね、探しに行きたいと思っているんですよ」

「いいじゃないですか、幻の鉱物。私も好きですよ。冒険やお宝といった雰囲気ありますからね」

「そしてですね、情報を集めようと思ってネットで検索をしたんです」

「まぁ調べものと言えばネットですよね。集合知というのですか」

「そう、集合知ってやつなんですよね……」

「どうしました? 露骨に調子を落としているように見えますが」

「いやな? ネットで調べたら普通に通販で買えるんだよこの鉱石」

「えぇ……」

「そもそもが幻の鉱石というか、同様の特性と特徴を持つ鉱石であるというのもあるんですが……採掘ポイントとその探し方が確立しているということもあって大量に採掘することが可能になってるらしいんですよ」

「それは……ご愁傷様です?」

「もともと探し求めていた理由が自身の武器を強化するためという理由であったためであるが故に注文してかつて作ろうとしていた武器を作るというのもいいのだが、それはそれで当時想定していた武器は今この世界の資源で作った武器よりも数段劣る物になってしまうし……」

「いいんじゃないか? まぁ現実になった夢の象徴として飾っておけば。夢というのは得てしまえば思ったほどのものではないというのはよくある話だ」

「まぁ、確かにな。それはそれで」

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