第2096話:ケルケル・フォルド~再構築~

「うーん、この構造のものはこの力場とは相性が悪いようで、この力場の中では形を保つことができないらしい」

不思議なことに壊れるわけではなく、力場の外に持ち出すと元の形に戻って元々の強度を再現する。

他にもいろいろと差異はあって実験すればするほど違う法則で動く空間だということが明らかになっていく。

この奥に最初に入っていった調査隊はもう生きてはいまい。

あらゆる法則が乱れた力場の中で既存の装備は何の役にも立つことは無く、それどころか人体もいつまで正常でいるかはわからないのだ。

私は入口の周りで様々な物体を突っ込んで調べているだけだから無事だが、中に侵入して調査するとなるとそれ相応に対策を組まなければすぐに死ぬ。

最低限力場の中でも構造を喪失することなく、力場を遮断して人体を保護できる全身を覆う構造のスーツでもなければやってられない。

それとも、最初から中に存在してまともな形状を持つものを調べていき、中で耐える構造を計算した方がいいだろうか。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る