第2081話:クルッパ・ピームン~小箱~

「この小箱、中と外はもう完全に隔離されて外でどんだけ揺れても中には影響しないし、見た目と中身の大きさが全く関係ないくて大きなものもポケットに入る、本当に便利だよね~!」

 なんだかんだで付き合いがある、悪友、いや一方的に気に入られて付きまとってくる奴が何か機嫌良さそうに話しかけてきた。

「まぁ、普通に便利なのはそうだが……お前が言うとな……。今それ何が入ってるんだ? 聞かない方がいいならそう言ってくれ」

 ヤバい趣味で話を聞いてるだけでも引くことが多々ある奴だ。きっとろくなものではあるまい。

「これ? 女の子入れてるよ。こないだ待ち伏せされて攻撃されたから返り討ちにして閉じ込めちゃった」

「うぇ……」

 人も入るのかその箱。

「仲間がいるみたいなことを言ってたからこうやって見せびらかしながら歩いてるんだ~。君の仲間の女の子はここだよ~ってさ」

「そうか……っていうかそんなもの俺に見せびらかさないでくれよ……俺までお前の仲間だと思われちゃうだろ」

「いいじゃないか、話題に出したいんだからさ~。僕の近くなら君に被害は及ばないぜ、わかってるだろ?」

「まぁそうだが……」

 こいつがいない時に人質になる可能性の方が嫌なんだよな……こいつは俺が人質になってても見捨てるだろうし。

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