第2018話:ガアラ・ラウマ~お昼寝~

「むにゃあ、もうそろそろあったかくなる季節、だなぁ……」

「そうだね、まぁもうちょっとはこたつ出したままでいいんじゃない? しまうにはまだ早いって言うか……」

「ぐぅ……」

「え、寝てる……こたつで寝ると風邪ひくよって言われただろうに……」

 まぁ、冬季の間はいつもここで昼寝してたよな……

 仕方ないかと思いせめてもとこたつの温度設定を下げる。

 熱いままのこたつだと体の水分だけが抜けて体調を崩しがちだから、せめてもだ。

 しばらくすると、寒くなったのか起きあがり、布団に向かって歩いて行った。

 まぁこたつ、温度を下げると中に空気の塊があって思いのほか暖かくはないし妥当なところだろう。

「やぁやぁ、さっきミルルラがうつろな顔で歩いて行ったけど、こたつの温度下げただろ? 昼寝してるときに温度下がるとあいつああなるんだよな」

「やぁ、君も入るかい? こたつ」

「いや、僕は遠慮するよ。今昼寝から起きたところだし、冷えたこたつに興味はない。だから僕はストーブを点けるよ」

「そうかい、ところで、夜って言うのは楽しいのか? 私は起きていたことが無いからわからないんだ」

「楽しいよ、君も昼寝をして夜まで起きているというのはどうだい?」

「いや、やめておくよ。私は変なところで昼寝をしてしまった君たちを布団に送ったりしないといけないからさ。誰も昼に起きていないのは、それはそれで嫌でもあるしね」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る