第1862話:ケーヴィ・カルーア~肉が溶ける~

「この洞窟には肉も溶かす強酸の体を持つスライムが生息しているらしい」

「それは危険だな」

「ああ、知らずに間違えて入ったりしたら一生行方不明になることは間違いない」

「まぁ消息がここで途絶えたら死んだと思われるとは思うが」

「もしかしたらうまいことここを最後にして死んだことにしようとしてる人とかもいるかもしれないだろうしな」

「何したらここを経由して死んだことにしようとすることを思いついて実行するほど思いつめることになるんだよ……」

「ここに誰かの死体を放り込んで証拠隠滅とそのまま逃走をしたりとか、かな?」

「あーそれは確かにありそう。肉を溶かすスライムは確かに証拠隠滅に良さそうだしな。知ってるやつの恨みとか、買わないように気をつけなきゃいけないよな」

「そういうことだ。まぁ次の生まれ変わりがあったら注意するといいんじゃないか」

「何言ってんだ、それじゃあまるで今お前が俺を殺そうとしてるみたいじゃないか」

「…………」

「おい、何か言ってくれよ。冗談だとかさ」

「…………なーんちゃって、冗談だよ、冗談。俺がお前を殺す理由がない、だろ?」

「そうだよな! びっくりしたぜ、心当たりがないからさ。さっさとこの洞窟を抜けて先へ行こうぜ、足元に気を付けてな」

「ああ、頭上と背後にも気を付けた方がいい、奴らは天井に張り付いていたりもするし、背中に突然飛びついてきたりもするからな」

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