「このまま接客をしていてくれてもかまわないが……」

「なにか？」

「まぁ、問題になるほどではないかな」

「そうですか？　ならいいでしょう。他に何も用がないなら支配人がそこにいると邪魔になるのでさっさと退店願いたいのですが」

「まぁ、さすがにお客さんにはそんな態度を取らないとは思うけど……」

「安心してください、私は誰にでも平等に接するようにしていますよ」

「それが心配なんだなぁ……」

「いらっしゃいませ」

「すみません、あの商品って店頭展示分以外にまだありますか？」

「そこに無ければ無いですね」

「そっすか……」

「ええ、店頭展示分だけでも購入していきますか？」

「いいよ、もう」

「またのご来店をお待ちしております」

「もう来ねぇよ！」

「なぜ……」

「見てたよ」

「支配人」

「君は本当に愛想という物がない。その仏頂面でそんな物言いをされたら皆気分を悪くするよ」

「そうですか？」

「ああ、そうだ。私も今、少し心を痛めている。君にこのような物言いをしなければならないことじゃない、君のその表情とストレート過ぎる尖った物言いにだ」

「そうですか」

「そうだよ。まぁいい、君もクレーマー対応の時には活躍するし、でもクレーマー以外には少しは優しくしてやってくれるといいんだが」

「十分優しくしていると思いますが」

「まぁ、君がそう思うならそれでいいことにしようか」

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