第1830話:カップ・レバート~魔力形式~

「この土地は魔力が足りねぇ」

「そうなのか? 普通に俺らは魔法が扱えるけど」

「そりゃあ、お前らの使う魔力の話だよ。俺が言ってるのは俺が使ってる魔力、土地が痩せてると湧かない力なんだよ」

「ほーん、魔力にも種類ってのがあるのな」

「ああ、大体みんなひとくくりに『魔力』って呼んでるが、生物由来だったり土地由来だったり、物によっては星の力だとか、宇宙に充満する力だったりってのもある。携帯端末デバイスに蓄積して使われてる魔力は大気中に存在している奴だな」

「はー、じゃあそれが一番汎用的ってことなんじゃないのか? 携帯端末デバイスではいろんな魔法が使えるし、一番普及してるってことだろ?」

「まぁ、いろんなことに使えるって言うのもそうだし、補給が楽っていうのも採用の理由だと思うが、今やりたいことには使えないんだそれは。今やろうとしてるのは土地の力を少し使うからな、土地の力がこうもないとどうにもできん」

「そういうもんなんだな、今はこれどういう儀式を行おうと思ってるんだ?」

「今からやろうとしてるのは土地の内部を弄って魔力の流れをよくするって言う儀式だな。これが上手く行けばこの辺の土地でも植物が根付きやすくなったり、水脈も伸びてくるんだが、ここの土地はそれ以前の問題のようだ。まずは人力で地道にいろいろしていかないとだめだな」

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