第1675話:フーチャー・ハロウプ~永遠の場所~

「この世界に最初からある場所というのがあるらしい」

「……?」

「あ、いやね。当然この世界にも始まりがあるはずだろう? そして後から後からどんどんいろんな世界が滅びてこの世界に加わっているわけで、その際元からこの世界にあった場所というのがどこかにあると考えられる」

「なるほど」

「言うなれば、他のどこでもないこの世界である場所というわけだな」

「うーん、言いたいことはわかった。でもさ、結構いろんな場所で空間崩壊してるじゃん、その場所ももう崩壊してなくなってるかもしれないよ?」

「ぐ、それは……確かにそれはそう、だが! 俺はまだ残っている可能性に賭ける! 探しに行ってやるさ!」

「当てはあるのかな?」

「もちろんないわけがない」

「お、意外。こういうのって大抵言うだけで当てはないもんだと思ってたから」

「俺をなめるなよ? 様々な文献学説等々集めて思索考察をして様々な場所にフィールドワークに赴き検証と考証を繰り返して得た結論があれだ!」

「あれ……って空の上? 空の向こうに土地があるって聞いたことはあるけど、そこ?」

「いいや、違う。もう少し手前にあるものだ」

「手前っていうと……太陽?」

「そう、この世界で唯一最初からこの世界に存在したであろう物、それはあの太陽に他ならない」

「あー、それは結構納得かも」

「そうだろう?」

「で、どうやって行く気なの?」

「過去に一度、太陽の火が消えたことがあったらしい。その時に何人かの研究者が太陽に降り立つことに成功したと聞いている」

「へーそういえばそんなこともあったね」

「ああ、その時は状況が状況で詳しい調査ができなかったらしいからな、次の機会には俺も太陽に行って、世界の最初の場所だという証拠を探してやるっていうわけだ」

「それはいつになることなの?」

「それは……わからん」

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