第1414話:シューデン・ロイルオット~立体ルーム~
「うわ、なんだこの部屋」
物が宙に浮かばせられて配置されていて、空間が散らかっている。
「好きなところに座ってて」
招待されたから来たのだけど、これどこに座ってればいいんだ?
あ、座布団みたいなのが浮いてる……届かないけど。
仕方なく、物が置いてない床を選んで座る。
「お待たせ、そんなところに座ってるの?」
「他にどこにもないだろう……、あぁそうだった君はここで飛べる権限がないんだったか、ほらこれで飛べるだろう」
「権限……?」
そう言われたとたんに体が浮き上がった。
「好きなところに座るといい」
「いやいやいや、なんだこれ。止まらねぇ」
「飛ぶの下手だなぁ、初めてか?」
「経験があるか問われれば無い! そもそもこれがどうなってるかを説明してほしいが」
「そうかそうか、意識を向けた方へ行くから、集中するんだ」
そう言われてなるほどとなるほどすぐ適応できるほど器用ではないのだが……
「そうそう、うまいぞ。そんな感じだ」
「まずこれがどういうことなのか聞かせろ、飛べるのはいい、ここの法則からだ」
「ん~、何がわかってないのかがわからないから、伝わるかはわからないけど、この部屋の中の法則は私が管理してるの、だから飛べる設定にしたら誰だって飛べるし、床だけだと散らかりがちになるから宙に物を置いてるの」
「好きなところに座っててというのは?」
「宙の好きな場所にって意味、逆に地上は使わなくなってたからあんまり居心地よくなかったでしょ?」
さも当たり前のことのように言う。
わかる表現に要約するとこの部屋の中では彼が神なのだという。
そして彼の常識の中では物が浮かぶのは当然で、権限を与えることで能力を付与することができるということだ。
「普段は泥棒が来た時のために新規の侵入者、来客とかもだけど飛ぶ能力ははがしてあったんだったよ。忘れてたね」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます