第1250話:トウハ・クスキ~転居~
引っ越しすることにした。
このシャグラムの街は気に入ってはいたが、飽きた。
もう引っ越しも回数を重ねて慣れたものだ、部屋の中を丸ごと箱に閉じてポッケに入れて、まっさらになった部屋を出る。
思い付きで決めたからまだ次の部屋も決めていないし、今の部屋の契約も解除してない。
とりあえず一報入れて契約を解除する、唐突な申し出だけどいつものことなのですぐにさっきまでいた部屋との繋がりは切ってもらえた。
さて、夜までに次の部屋を見つけないと今日は野宿だ。
本当にどこに引っ越すか、今まで住んだことの無い感じの街がいいな。
今までに済んだことのあるのは……、暑い街、寒い街、常夜の街、常昼の街、壁の街、穴の街、硬い街にもすんだことがあったっけな。
そう言えば普通の街には住んだことがない気がする。
ん、普通の街ってどんな街だ?
今まで知り合った人に聞いてみることにするか……
「普通の街って言ったらガラガニオだ」そこには前に住んだことがある、寒い街だ。
「ジェニアガリアなんか結構普通の街だと思うぜ」そこも前に住んだ、暑い街だ。
「ソーガニオフとか?」そこも住んだ、常夜の街だ。
ダメだ、今まで住んだ街でできた知り合いだから自分の住んでる街が普通だと思っている。
これは、逆に変だと思う街を聞いてみた方がいいかもしれない。
まだ住んだことの無い特徴を持つ街だったらそこに住もう。
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