第1204話:フダ・ゴウロウ~明日から違う世界~
「今日は世界最後の日です」
「え、世界終わるんですか?」
「はい、終わります。そして明日から新しい世界が始まります」
「へぇ、なんでわかるんですか? 予言?」
「こないだかったカレンダーに書いてありました、なんでも5年に一度世界が終わるらしいですよ?」
「5年に一度? それまで生きてた人達はどうなるんです? 10年以上前からこの世界に住んでるっていう人を結構知っていますけど」
「さぁ、ボクもまだ4年目だから今回の世界の終わりが初めてなんですよね」
「じゃあどうなるかわからない?」
「そう、世界の終わりなんて体験するの初めてでしょう、楽しみじゃないですか?」
「うーん、そうかなぁ。世界が終わるって怖くない? 明日から始まるのは不要な人が除かれた新しい世界だったりしない?」
「それはそれで生き残ったら世界に必要だと認められたみたいで気分がいいじゃないですか」
「それは……そうかも……?」
「明日がどうなるか楽しみですね」
「やっぱり怖いような気もするけど……」
その夜はやっぱり世界が終わるということがどういうことなのか気になって眠れず、翌朝を迎えた。
「世界終わらなかったんだけど」
「気付かないうちに終わって新しい日が始まったんじゃないですか?」
「ここまで気付かないうちに終わって始まるとまったく実感できない……」
「私も寝てたので全くわかりませんでした」
「ていうか本当に世界が終わって始まるってのが眉唾なんだけど、ちょっと調べてみるね……でた、フェンニジル教という宗教的にこの日を境とすることが多く世界の終わりと始まりの日とすることが多い……、あくまでこれ特定の宗教観での話で、実際にその日に何か起きるわけじゃないのでは?」
「そういえばカレンダーを買ったお店、何かの祭壇みたいなのが壁にありました……」
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