第1144話:クブリ・ズフィード~経歴~
「はぁ、以前はケイデニン隊に……」
「ええ、それ以前はクリヴェ隊の方に」
「ほぉ……」
新しく部隊に配属された人の経歴書を本人同席で確認している。
一言で言ってしまえば、この経歴はかなり怪しい……
彼は今までに六つの隊を経験している。
ペディ隊、ハシュラ隊、ケイチェ隊、フィクチェ隊、クリヴェ隊とケイデニン隊を経てうちズフィード隊に配属されてきた。
どの隊も一年以内に転属をしているのだが、普通はそんなことにならない。
他部隊の事情は分からないが、どうにもその隊に馴染めなくて転属と言うことはあるかもしれないけど、それで六つの隊を転属なんてことはそうない。
普通は馴染めなかったりしてする転属は二度ぐらいか、それ以上転属するぐらいなら除隊されてしまう可能性の方が高い。
三部隊で馴染めなければ他の部隊に馴染める可能性は無い、転属時に人間性を考慮するからだ。
特にこの経歴書に特記事項無しというのも不自然だ……
ともかくして、上からの指示での配属だ。怪しくとも受け入れるしかない。
「うん、なるほどね。ズフィード隊は君を歓迎しよう、他の部隊にいたころの話を聞かせて貰ってもいいかな?」
「あ、過去のことはちょっと……」
「何か、聞かれて困ることでも?」
「いやぁ、なんというか……、すみません、言えないんです」
なるほど、言えないと来た。
今度クリヴェ辺りに話を聞きに行ってみないとな……。
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