第656話:ハル・マオ~宝探し~

 いつものファミレス、いつもの三人組で、いつものように集まっているのだけども。

「なにさそれ」

 いつもアホなことを言い出すカホノが、携帯端末からなにやら机に投影していた。

「宝の地図、探しに行こ!」

 またアホなことを言い出したとか、そのお宝ってのは宝探しの労力に吊り合うのとか、いろいろ言いたいことはあるのだけども

「どこでそんなもの拾ってきたのさ」

「メールで送られてきたのよ、知らないアドレスからだったけど。知り合いが宝の地図持ってるなんて話聞いたことなかったから、逆に信憑性があると思うのよね」

 あるかアホめ。

「ていうか、知らないアドレスから宝の地図が送られてくることはいいの? どっかから個人情報漏れてるんじゃないのさ?」

「カホノはありとあらゆるメルマガに登録してるから、むしろ個人情報を喧伝して回ってるまであるよ」

 アラナが少し横から言う。私の知らないところでもそんなアホなことしてたのか。

「プライバシーって概念はないわけ」

「むしろ積極的に知ってもらう方向ね。ていうか、私のプライバシーよりお宝よお宝、たぶん勘だけどこのメールって不特定多数の人に送られてるとおもうのよね、だから急がないと」

「そのメールはいつ来たの?」

「昨日、だから急がないとダメ」

 昨日て、もう掘り返されてそうだな……。なんだかんだで行動が早い人多そうだし。

「で、この地図はどこなのさ?」

「知らない!」

 一生見つからないなこれは……

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