第616話:マルカ〜イマジナリーフレンド〜
「君はいつも一人だねぇ、私は心配だよ」
「うるさいな。いいだろ、僕は一人が好きなんだ」
「じゃあ私はなんなのかな?」
「……お前はいいんだよ」
「えー、わかんないなぁ」
本当になに考えてるかわかんないなぁ。
「おまえはそんなこと気にしなくていいよ、いるだけでいい。他愛の無い話題なら僕も乗ってやれるさ」
「そんなだから友達できないんじゃない?あー、昔はもうちょっと可愛げがあったのになー」
「昔は昔、ってかなんでまだお前いるんだ」
「そりゃあ消えるものじゃないよ、私はそういうものじゃないし」
消えてほしくないんでしょう?とはさすがに言わない。
わかってるだろうし、言われたくないだろうし。
「じゃあどういうものなんだよ」
「私は君なの、だからこの世界に来ても一緒なのよ。わかってるくせに」
「わからない、なんでお前はそんな風に言えるんだ」
「私は君だから、君の理想だから。君のやりたいことは私にはできることなの」
これは自問自答、君の知っていることは大体私も知ってるけど、言えることと言えないこともある。
言えることはわかってるけど理解したくないこと、言えないことは理解してるけどわかっていたくないこと。
私は君から生まれたけど、肯定されるために私を生んだ訳じゃないってことが少し嬉しいんだ。
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