第513話:ボーロア・トマロ~携帯端末~

 そろそろ携帯端末デバイスを買い替えよう。

 最初に間に合わせで買っとけと言われた板状のやつをずっと使っていてそろそろ新しい奴が欲しくなった。

 ネットでも買えるがやっぱりこういうのは直接手に取って見たい。

 VRショップとかもあるけど、やっぱりね?


 ショップへ来てみると実に多種多様な携帯端末デバイスがある。

 今使っている板状のもあるし、腕に巻くタイプ、ペンダントタイプ、オーブタイプ、眼鏡と身に着け方は多種多様だ。

 どれにするか迷うなこれは。

 手に持たなくても使える奴が欲しい、板状のを手に持って使うのは結構面倒なのだ。

 でも、ペンダントやブローチタイプは入力装置が弱いイメージがある。

 よく音声入力で使っている人を見かけるが、どうなのだろうか。

 その辺を見るための実機視察なのだから、一つ一つ見せてもらうか。


 まずは腕輪タイプ、この型は音声認識が多く物理ボタンのようなものは3つしかついていない。

 物理ディスプレイも搭載されておらず、表示系は眼鏡を接続したり空間投影タイプのものがある。

 どうしてもこれは操作に難があるのが嫌だ。

 音声認識の性能は高く、誤認識の類は滅多にないが殆どのコンテンツは腕輪型の空間投影ディスプレイ向けには作られていないのもマイナスポイント。

 あと少し使ってみたが腕を胸の前辺りまで上げてディスプレイを見るのが疲れる。

 両腕が空くと思ったが実際は片腕が使えなかった。


 ペンダントタイプ、首から下げたり腕に巻いてみたりといろいろな身に着け方ができるアクセサリー的な側面も強い型だ。

 実質、ベルトをチェーンに変えた腕輪型であるが、ディスプレイの表示だけ工夫がされており、顔の前に座標調整して投影できるらしい。

 空間投影されたディスプレイを触って操作することもできるしなかなか良い。

 腕も空くし良さそう……と思ったが、デザインがお洒落すぎて引け目を感じてしまう。

 僕はもっと地味なデザインのがいいんだ、と思ってペンダントタイプで探してみたが地味で何にでも合いそうなデザインのはとても値段が高い。

 なぜだ。


 オーブ型、つまりは球状なのだがこれはどこ向けなんだ……

 持ちづらい、操作しづらい、見づらいと三重苦だ。

 デザインも色と大きさぐらいしか変わらないというのに、めっちゃカラフルな売り場になってるし、値段も様々。

 一体どういう層へ向けた売り場なんだろうか……


 眼鏡タイプ、首輪タイプ、脳接続タイプと他にもいろいろ見たが、最終的に値段が張らない程度の耐えきれるお洒落なペンダントタイプを買うことにした。


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