第170話:オルカン・イルマ〜頭が痛い〜
頭が痛てぇなぁ。
朝からガンガンと、頭のなかで痛みが響き続けている。
痛み止を飲んでも効かないし、なんなんだこの頭痛は。
朝起きたときからずっと痛み続けているし、要因は寝ているときか、寝る前にあるのは間違いないだろう。
痛みで不鮮明になりつつある記憶を呼び起こして、昨夜何があったかを思い出す。
昨日は確か、夕方から友人の愚痴を聞きながら飲んでいた、そう、夜半ばまで飲んでいたんだ。
あれだけ酒を飲めば今頭が痛いのも納得、と言いたいところだが、飲んだ日はいつも体内のアルコールを除去してから寝ている。
朝まで痛みを引きずることなど、今まではなかった。
少なくともこの世界でこんな頭痛に悩まされたことはなかった。
不摂生が祟るほど、不摂生な生活をしていた覚えはないし、何が要因なのか。
寝ている間のことは思い出そうにも思い出せないが、やはり寝ている間に何かあったんだろうか。
もしかしたら夜寝ている間に胃にアルコールを流し込まれたのかもしれない。
さすがにそれはないと思うが、寝ている間に何かあったというのが濃厚な説だな。
ああ、もう頭が痛くてまともな理由が出て来ない。
一旦寝るか。
頭が痛い中で寝られるかどうかは別としてだ。
起きた。
一応少しは眠れたが、頭がガンガンするのは治まっていない。
しかし変な夢を見た気がするな。
なんだったか、妖精が変なことを言ってきてそれに困惑したような夢だったような。
頭が痛いときはそういう変な夢を見やすい気がする。
病院に、病院に行くか、そうだなんでそんな簡単なことに気づかなかったのだろう、体調が悪ければ病院に行くのは当たり前だ。
この世界にきてから体調が悪くなったと言えるのが初めてだったから忘れていた。
さて、病院に行こう。
どこにあるんだろうか、調べよ。
調べて病院にやって来た。
「えーとだね、君、最近変な夢を見なかったかい?」
「夢、ですか?」
そうだ、妖精がなにかを訴えかけてくるような夢を見たんだ、その話を医者にする。
「なるほど、妖精が夢にねぇ。こいつは面倒だ」
「その妖精がなにかこの頭痛に関係が?」
「非常に珍しいことなんだけどねぇ、妖精にが頭に巣を作っている」
「はぁ、妖精が頭に?」
「妖精と一口に言っても色々いてねぇ、君の頭の中に住んでいるのは実体を持たない、情報生命体としての妖精だね」
意味がわからなかったが、要約すると俺の頭には妖精が寄生しているということだ。
「先生、どうすればいいんですか?」
「うーん、今のところ解決法は無いんだ、まぁ、2、3日すれば頭痛は治まるし、うまく妖精が馴染めば特殊な力を手に入れることができるらしい、逆に運が良かったんじゃないかな?」
「そんなものなんですか」
医者の先生の話だと明日にでも頭痛は治まるらしいが、妖精に寄生されているとは、頭痛以外に変な感覚があるような気がする。
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