第5章 まっすぐな直球をストレートで 第4話 イチコに会う
これもまた、奥藤と付き合っていた頃の話。
久しぶりにイチコから会いたいと連絡があった。
私は懐かしさから快諾した。
お互いもう30を過ぎているってことは、、、、イチコに会うのは10年振りくらいになるだろうか?
イチコは、、
中学時代に想いを寄せて私が振られ、
高校時代には付き合いそうになるも叶わず、
専門時代にはイチコの彼の愚痴を聞き、
社会に出てからはイチコはスノボーがしたいと北海道に移り住んでいたのでまったく会ってなかった。
そのイチコが北海道からいま地元に戻っているとなれば顔くらい見たい。
私達は地元の駅前で待ち合わせし、近くのイタリアンにランチに入った。
パスタランチとビールを頼み、まずは乾杯。
しばし昔話に花を咲かせて盛り上がり、トイレに行って戻って来るとビールがジョッキになみなみと注がれている。
おかしい、、。
プハー。
イチコがトイレに立ったタイミングで私もビールをジョッキで2つ頼む。
イチコが戻ってきて一瞬怪訝な顔をした。
プハー。
私達はお互いが席を立つたびに注文を繰り返し、席を立たなくても注文し、真昼間からスッカリいい気分になっていた。
そのあとなぜかイチコの髪の毛を切ることになったので、私達はドンキホーテに行き缶ビールとツマミと散髪セットを購入して公園に向かった。
チョキチョキチョキチョキプハー。
ザクザクチョキチョキブツプハー。
イチコの髪の毛を切りながら酒を呑み、我ながら器用になんとなく形になったイチコの頭をワシワシと毛を払い、プハー。
子供達のサッカーを横目にプハー。
ボールが転がってきたから蹴飛ばしてプハー。
なんて穏やかな昼下がり。
何も考えずバカとバカなことして愉しんでる。
するとイチコが、
『ねぇ、私と結婚して欲しい。』
ッブハーッ!?
私は盛大に噴いた、!
私『、ハァッ!?、どっからそうなった??』
イチコ『だって楽しいんだもん。アンタも楽しいでしょう?』
私『、そりゃ、!楽しいけども、、!』
私は一瞬本気で考え、、
私『いやだ!!』
と言った。
私『思いつきで突然北海道に移り住んでスノボーしたり、市役所で号泣しながら税金値切りにいったりするヤツは、、やだ!!』
イチコ『えええええ、しようよー。』
私『いーやーだー!!やだよ、!だってイチコ飲み過ぎて内臓やられてる臭いするし!!』
イチコ『、、💢、』
バキッ!ドッ!
、、、、、、、、、、、、、
私がされた初めてのプロポーズでした。
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