今際の円
果てまで続く 地平は円い
僕は こと切れた無線を眺めるのを とうとうやめて
そっと 足を踏み出した
空は吸い込まれる 青い黒
いつか 僕らはひとつだったと云うのに
ヘルメットを外すと 睫毛が震えた
跪き 足下の砂にキスをした
神
そう 称されるものについて
立方体から降り立った 人間が はじめて
今際に 感じるのだ
そこにはどんな懇願もなく
ただ 完璧な時間が流れていた
今
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