テレビ


ブラウン管テレビを付けるのは 砂嵐が見たかったから


真夜中の番組は 電子の虫で喚いている


どこから来たのだろうと宇宙を見上げてみる


おそらくこの星であろう ドラマは面白かったよ


私が生きている間に失ったものは星の数には満たないけれど


私が知っている限りは信頼性はないよ


一番大きな出来事はペットが死んだ時でした


涙もなかったよ 周りが悲しんで悲しむ気もできなかった


でも、あのとき悲しんだ人が新しく飼うことをずっと反対したのは


涙を流さなかった罪かもしれない ブラウン管のテレビ達は砂嵐が涙だったこと


それぐらいはとっくに知っていた とっくは今でもとっくだっただけさ


あぁ、リモコンがある


時代という巻き戻しができたのなら


あの頃には戻れないよ ごめんね


早送りしたいだけ


むしろ 早送りをして 悲しんだ者と一緒に


早く朽ちるだけ

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