第110話 スノーフレークチョコレート
雪の結晶は英語で
普段 その姿を目にすることはほとんどない
意識して目を凝らさないと見ることができないから
存在しているのは間違いない
でも 実体を目にするのが難しいもの
心に似ていると思った
小さい頃 雪が降るとうれしくて堪らなかった
外に飛び出して雪の中を犬のように駆け回った
両手を合わせて落ちてくる雪を
でも スノーフレークを見ることはできなかった
ますます 心に似ていると思った
スノーフレークを
バレンタインデーに好きな男の子へ渡すために
チョコは雪と違ってすぐに融けることはない。
スノーフレークもはっきりと見ることができる
ただ チョコに込めた思いは雪と同じ
心に秘めておけば壊れることはない
でも それは難しい
思いを伝えたい自分がいるから
スノーフレークの形を知ってもらうみたいに
やっぱり 心に似ていると思った
結局 スノーフレークチョコレートは陽の目を見なかった
渡すことができなかった
後悔していないと言えば嘘になる
心残りと言った方がいいかもしれない
人の心とスノーフレーク
どちらも目に見えないけれど存在しているのは間違いない
今でも雪が降ると両手を合わせてしまう
そして 雪が融けるまで手のひらを見つめている
RAY
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