第77話 Summer Acceleration(夏の加速)
潮風が心地良い 海沿いのオープンテラス
暮れていく空に
グラスの中の真っ赤な海に映った 誰かの笑顔
気付かない振りをするわたしを見つめる 涼しげな眼差し
目と目が合った瞬間の不思議な感覚
頭の中を駆け巡る 様々な
まるで
でも それは過去の出来事じゃない
これから訪れる 未来の出来事
青い海の浅瀬でワンピースの裾をつまんではしゃぐ女がいる
クルーザーのデッキから
白いシーツの海を一糸
どの女も未来のわたし
そんなわたしをじっと見つめる 涼しげな眼差し
真夜中の湾岸線を疾走するクーペのように
夏の時間を駆け抜けていく二人
レッドゾーンに達した瞬間 周りの景色がぼやけて映る
二人に見えているのは お互いの姿だけ
胸の鼓動が速くなる 加速は始まっている
残ったキールを飲み干して あなたに熱い視線を送るわたし
わたしの心を見透かしたように 小さく
二人の夏が始まりを告げる
加速し始めた時間は止められない
RAY
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