第9話「ナイトルゥース 闇の扉」


これはある意味有名…かもしれないゲームソフト。でも、ほとんど誰も知らない作品だろうとも思う。本当にごく一部のマニアでないと知らないのではないだろうか。ネットでも情報が集まらないほど知る人ぞ知るゲーム。そんな幸薄なソフトだが個人的には大好きな作品。中古ゲーム屋で見つけたのだが、18禁と書かれており、エロいのを期待して、気軽に購入してしまったのが縁です。あとで知ったけど、当時はレーティングが厳しく、その関係でX指定だの、18禁指定だのがあって、別にHシーンはありません(笑)




さて、このゲームの一番の魅力は優陣が超豪華な事だ。うえだゆうじ、かないみか、緒方恵美、若本規夫、宮村優子、三石琴乃、氷上恭子ですからね…!




うえだゆうじ と言うとラブひなの浦島景太郎を思い出すなぁ。あとはるろうに剣心の左之助だな。緒方さんはダンガンロンパの苗木くん、幽白の蔵馬、セーラームーンのウラヌス等と色々思い出すよ。世間的に有名なのはエヴァンゲリオンの碇シンジ君だろうか。若本さんと言えばドラゴンボールのセル、サザエさんのアナゴさんは誰もが知っているだろう。筆者としては「ニニンがシノブ伝」の音速丸も大好きだけど。三石さんは今も昔もセーラームーン。でも、スクストでモルガナ様もやっていたりとバリバリの現役だ。




宮村優子はエヴァのアスカだな。90年代は林原めぐみと同じく、よくアニメで声を聴く声優だった。さて、氷上恭子は(あくまで個人的に)女子高生ガールズハイの姫路京子やデ・ジ・キャラットのラビアンローズ(うさだヒカル)ぐらいしか印象が無いのだ。どうでもいい話だが、PS「エリーのアトリエ」に付属しているドラマCDでマリー役が氷上さんなのは何故?ゲーム板では池澤春菜さんだったのに・・・。ただ、彼女はキャラクターのお母さんの声をすると、すごくマッチする。「アイカツ!」の大空あかりのお母さんとか、フレッシュプリキュアの桃園ラブちゃんのお母さんとか。






かないみかは最近だと「キラキラ☆プリキュアラモード」の妖精・ペコリン「ひぐらしのなく頃に」の北条沙都子が有名だ。あとはドラマCD「ガールフレンズ」に出ていたのを覚えている。そういえば、昔「かないみかのピンクドラゴン」というラジオ番組で女性声優の胸を揉みまくっていると自ら豪語していたのを思い出すなぁ。





すみません、話がマニアックすぎましたね。

話を戻して…まあ、それくらい有名な方達がアフレコしたゲームなんです。バブリーな時代だからこそできた業でしょう。今では予算ある会社でないと大変。OPムービーがあったり、所々ムービーがあるのもスゴイ。個人的には宮村優子と氷上恭子がデュエットしたEDテーマが大好き。この曲はCDで出ているのかどうか知らないが、このゲームのCDをラジカセやパソコン、セガサターンの本体画面(蓋開けっぱなしで本体の電源を入れる)再生すれば聴けるぞ。セガサターンのゲームは何故かこういうおまけ仕様が多かった。



 


さて、このゲームでは超常現象がテーマ。主人公たちの通う学園で謎の人体発火事件というショッキングな事件が起き、その事件の解明に乗り出すというお話。基本的にノベルゲームなので文章を読んで(フルボイス)いく。一部アニメムービーもある。文章を読みつつ、聴きつつ、あとは選択肢を選ぶだけという非常に簡単なものとなっている。ちなみにセーブは文章の終わりで改行する前にオートセーブ仕様。でも、その肝心の文章が非常に支離滅裂である。





特に有名なのは




「1時間目の授業が終わると、その後、2時間目、3時間目、4時間目と授業が進み昼休みを挟んで5時間目の授業が終わり、6時間目の授業が始まった」




「トイレ一面を火柱が覆い火の粉を巻き散らしながら照らし出し、その中には狂ったように燃え上がる炎の中で激しく身体をくねらせ泣き叫ぶ奈美の姿があった」





こんな文章が次から次へと出てくる……。何言ってんだこれって思うこと多数。推敲って面倒だけど大切だよね。




文章もそうだが、展開もぶっ飛んでいたりする。戦闘シーンもメッセージに頼りきりで演出やSE音がほとんどないから想像し難い。つか、こんな文章力での戦闘描写なんで余計にわからない。これは致命的すぎる。あと、声優さん達は兼ね役もしており、モブの声も当てているが、三石さんに無理に女子高生(しかもギャル系)の声をさせなくても良かったんじゃ……。



また、結末はある選択肢によって変わるのだが、その選択肢がバカバカしすぎて重要な選択肢だとはまず気づかない。最初プレイした時、どこの選択肢が分岐点だったのかわからず、また最初からプレイしたほどだ。よくよく調べると、その選択肢が「美人の担任教師の髪を見る、お尻を見る、胸を見る」の三択の選択肢なのだから笑った。なんでこんな選択肢にしたんだ!!と開発者に聞きたい。




おまけに最後まで欝展開でなかなか気が滅入る。結局、何を伝えたかったのかさっぱりわからない。つか、よくこの文章で、この内容で企画出して、製品化できたな。大らかな時代だったのだろうか。




ちなみにこの作品は続編もあるが、セガ版しかない。当時はセガサターンで人気を集めたソフトはPSに移植されることが多かったのだが、移植されたのはは本作「闇の扉」のみ。続編は残念ながらPS化されなかった。今なら中古ショップを探せば見つかるかも?




声優ファン向けに「メイキング・オブ・ナイトルゥース」など声優さんが顔出して喋ってくれる映像集みたいな物も発売されている。今から見ると大御所の声優さん達がみんな若々しい。その中でこの作品のドラマCDの告知もあるんだけど、あの物静かなうえだゆうじさんがゲーム本編の脚本が読みにくいと珍しく怒りを露わにして苦言を呈していたのが印象に残った。




セガサターンをお持ちの人や興味を持った方はぜひAmazonや通販サイト、レトロゲーム専門店などを探してみよう。筆者も続編の「ナイトルゥース MARIA」がなかなか見つからず、Amazonで購入したほどだ。





この作品そのものが闇につながる扉の気がして仕方がない(笑)

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