第1214話「歩くような速さで」
ある程度この目線にも慣れてきたところで、ようやく歩く歩幅が狭いことを自覚することになった。
それは、実に単純なことである。
小柄な少女を引っ張っていく立場のはずが、歩幅を合わせてくれていたのだ。
実に単純なことであるが、子供と大人ほどの違いとまではいかなくとも店舗を合わせるという事はテンポこそ重要になる。
文句の一つも言わずついてくるのは興味だけではない優しさからなのであろう。
そうでなければ、俺も何も気が付きはしなかった。
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