第1132話「内内でぶつかる」

「失礼します」


 何食わぬ顔で素通りさせてもらおうとしたが、刃物で通せんぼされたならば止まらざる負えない。

 まともに正面からぶつかれば、勝てるイメージが全くつかない。

 もともとの情報量の少なさ以前に、力の差は隙の無さからも明らかである。


「何を企んでいるのか、教えてもらえますか? 事と次第によっては、拘束させてもらうことになりますが仕方ありません」


「不審者が侵入したという報告がありましたので、私たちだけで速やかに見つけ出すべく動いています。序列2位のジュン副監理長のお手を煩わせるほどの事ではないでしょう」

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