第1055話「序章に過ぎない」

 こちらの行動を読まれている以上、何らかの形で正体をつかまなければならない。常に追われる側でいては不安を抱えていなければならないからだ。

 幸いにも呪いによって命が奪われることはなかった。

 その苦しみを思えば決して安い代償ではないのは明白だが、今後を思えば妥協してもらわなければならない。


「私はただ利用されただけとは思いませんでした。すべてはまだ続いているのではないでしょうか……そんな気がしてなりません」

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