第1053話「呪いといえるのか」

何らかの方法で生きていたただけの人間だった……」


「私たちではその原理はわかりませんが、目を覚ましてから止まっていた時間が動き出したように見えました。そんな人間は見たことがありませんでしたから、誰もが不思議に思っていました。それから数か月が過ぎてからです。この国が脅威に見舞われたのは……。網の軍勢が突然首都へ侵攻してきたのです」


「ここにも、闇の軍勢が?」


「はい、五年前のことです。それから城壁は破壊され首都の都を蹂躙していく光景は残酷でした。国防軍と戦える民間人とあらゆる人たちで激しい攻防が繰り広げられました。私は戦えない、奴隷たちを隠れ蓑に国外へ送り出されました。その時です、見たこともない造形の鉄の塊を使って呪いをかけられたのは……。服装も白一色でまるで天使のようでした。その呪いが今頃になって発現するなんて予想もしていませんでした」


「なぜ、呪いがその時のものだってわかったんだ? 異なる要因だったかもしれないだろし、確実にそうだとは言えないだろ」


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