第1045話「話してくれ、過去の憂いを」
勾配が急だということは、周囲の建物が高ければ日中でも日が暗くその影響は広範囲に影響する。
人工的な暗さというものはやはり慣れるものではない。
それでも、この雰囲気というものが首都の活気に繋がっていることも間違いではない。
「私はこの首都が怖いです……兄が守ろうとした国のはずなのに私を守るために作り替えられてしまったこの風景が……」
「ここからはまだ距離があるな。いったい何があったんだこの国に……聞かせてくれ」
「お話いたします。ご主人様からそう言っていただけてうれしいです」
俺は恐らく話したくはないと踏んでいた。
決して幸せな過去ではないのだから、口に出すことすらはばかられて当然だとさえいえる。
まして、自分が呪いにかけられたとなればそれ以上のことがあるだろうか。
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