第1030話「目覚める少女の瞳に映る世界」

 長くも短い時が経つ。

 具体的には三分強。

 これが長いかと言われれば、おそらく大多数が短いと答えるだろう。


 時間はみな平等であり、体感時間などというのは結局のところ主観でしかない。

 俺は比較して長く感じたのだ。

 それは俺たち全員が感じていたのは雰囲気でわかる。


 ゆっくり目を覚ます少女と目が合った。

 その瞳は澄み切っていて穢れを知らない少女のそれだった。

 この世界の醜い部分を敢えて見ないように心を閉ざしているふううである。

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