第957話「恐怖、畏怖、尊敬」

 誰かに見られている感覚が二人の足を強制的に止める。

 そこには魔力だとかマナだとか超自然的な力は干渉しない。

 何もないからこそ、一定の知能を持つ者には恐怖、畏怖、尊敬など束縛させる形で具現化させられる。


 ディアナは恐怖した。

 ルナは尊敬の念を抱いた。

 必ずしも二人よりも優れた能力があるわけではないが、そこに至るまでのプロセスを二人は感じ取り様々な感情が湧き出す形となったのだ。


「一途な願い……それも村を守る……その意志の前では」


「ボク……じゃない、ボクはそれができなかった。それを刺激されるなんてね。おもしろい……やっぱり人間は面白いよ」


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