第920話「進まざる者」

「呪いの解き方を聞き出すか若しくは……。当てがないわけはないが、必ずしもうまくいくわけではないと言っておく。それでも、俺にやれというのか?」


「君にできないのなら、可能性はないようなものだと思っている。呪術者を優れた術者が見つかる保証はないならな。それに呪術者はそう遠くない場所にいる」


「居場所がわかるというのか」


「わかるからこそ、どうしようもない。私は王としてここを離れることはできない」


「これ以上押し問答をするつもりはない。相手が誰であろうと、助けると決めたんだ。場所を教えてもらおうか。その厄介な種を蒔いた落とし前は、つけさせてもらう」





 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る