第707話「誰しも同じなんだ」

「気持ちはわからなくもない。今の俺も同じようなものだからな」


「私も同じかな……」


 俺はまだ、この世界に召喚されたことに納得していない。

 その気持ちはスミレも同じだろう。

 子供が親を選べないように、この世界に生まれる事を臨んでいない。


 もしもがあるのならば、そのまま母親の元板世界で生を受けていたならばこれほど何かを恨んだりはしなかったかもしれない。

 だがそれは、もう取り戻せないかこの話である。

 母親がいた世界が必ずしも彼女に優しかったとは言えないのだから。


「どんな結果になっても後悔はしない。だから、必ず最後まであたしについてきて。結果がどうなろうと、最後まで付き合ってくれるなら、後は死んでもいい」


「終わったら聞く……。本当にそれでいいのかってな。それでもというなら……殺してやる……」


 彼女はただただ頷くのだった。

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