第705話「ドワーフについて探る」

 師匠に初めて会った時と似ていた。

 どれだけ強大な力が有ろうと、無かろうと人間なんて死ぬときは何をしても死んでしまうものだ。

 ステータスで防御という項目があるにもかかわらず、草木で切り傷はできるし転べばすりむいてしまう。


 矛盾しているようで矛盾していないのは防御の意味に他ならない。

 防御とは読んで字のごとし、防ごうとする行為が故意であれ無意識であれ能動的であって初めて機能する。

 すなわち、普段の生活ではのステータス上の数値は何一つ機能していないということがわかる。


 師匠は元ゴブリンであったのだから肉体は人間とは違うのだから、更生されている分子も違うと言える。

 バニティーはドワーフである。

 その娘はドワーフにはならないという。


 ドワーフを人間の種族の一種として考えれば、その血の優位性が遺伝しないという言葉から、異世界にそれを導き出したと仮定すればおのずとわかる。

 異世界の血が狙いだったのは明白だということが。

 この世界では成しえないことを異世界に求めたのだろう。


 だが、それならばなぜこれほど複雑怪奇な展開人あってしまったのだろう。

 答えは俺達と、二人の当事者だけでは収まらない。

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