第640話「この日、この瞬間を忘れない」
「ユイナなら止めてくれると思ってたんだけど?」
「スペラが行かなければ止めてた……かな」
「どういう意味だ」
「そんなにせめたらかわいそうだよ。そういうボクだってこんなに面白いゲームを見ているだけなんて、そんなことないけどね」
「私はルナを見張る為にきたので、他意はありませんよ」
「追及したら負けのパターンだな……」
皆、用意されていたタオル一枚持ってきているがそれが今この瞬間に役目をはたしていないことなど見ればわかる。
だから、見ない。
見たい気持ちが無いと言えば嘘になるが、肯定もしたくはない。
見えてしまう分には仕方がないと割り切れるものでもない。
良くも悪くも、記憶力というものが良くなっている。
一目見た物がまるで、超高級スローモーションカメラで撮ったかのように頭に記憶される。
いつでも、今日のこの場面を思い出すことも……。
それをするかしないかは別問題だ。
今は、ただ耐えるのみ。
己の欲望に。
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