第585話「箱の中の猫逹」

 皆が無事でいるのが確定しているのならばこの時間は大いにありがたい。

 首都までは急いでこそいるが明確に期日は定まってはいない。

 いつまでに辿り着かなければならないという事もなければ、闇の軍勢に滅ぼされるなんてこともない。


 なぜ言い切れるのかと言われれば、結果を知るすべがないからだと言い切れる。

 答えを知らないのだから、今確かに俺達が生きているという事実以外は確定していない事象に過ぎない。

 ここでもシュレディンガーの猫に例える事ができるが、箱の中身は俺達その者かもしれない。

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