第572話「暮れなずむ」

 気がつけば日はとっくに暮れている時間となっていた。

 ここが日の明かりも月の明かりもない空間だからこそ、気づかなかった。

 ただすべてを忘れたくてがむしゃらに掘り進めていたが、それも地龍襲来で流れは経たれた。


「ここで一泊しよう。酸素濃度も朝までは十分に持つ程度には保たれてる。過信をするつもりはないが、ひとまずは大丈夫……それよりもディアナは本当に大乗なのか?」


「さきほどのドラゴンの意図は分かりませんが、結界が壊れなかったのは物理的でも魔法によるものでもなく魂に直接攻撃するものでした。それも確実に結界を張っていた私を迷わず狙っていました」


「大丈夫なのかにゃ? ミャーも似たようなことしたからわかるのにゃ。ゆっくり休んだ方がいいのにゃ」


 

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