第563話「地下道制作物語」

 俺は土に触れると、個体、液体、気体へと分解する。

 結界内には必要な飲み水と、空気のみを供給できれば後は掘り進んだ空間の崩壊を防ぐ為圧縮し壁へと埋めていく。

 それにより、密度が増した土壁が崩れてくることは無くなる。


 掘り進んだ道を塞がない事にも意味がある。

 必要以上に強度を増した壁は、コンクリートで固めた地下道のようなものであり破壊するにはそれ相応の力がいる。

 モンスターであれどいとも簡単に破壊することは出来ないだろう。

 

 使い捨てにするのならばそこまでする必要はないところだが、地上がこれほどまでに危険ならば安息の地下にこそあると思うのも無理もないだろう。

 ならば、これを機に安全地帯を設けることにしたというのも安易であれ思うところであった。


 

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