第543話「希望の地となるか」
ようやく全員で地割れの向こう側の土を踏むことができた。
ここまでくるのにかかるのに数日を費やしたかと思えば、時間を無駄にしたような気もするが得られたものもある。
迂回しなければ出会わなかった仲間もその一つだ。
こうして、喜びを分かち合える仲間とも僅かな行動の変化や選択で出会う事はなかったのだ。
達成感と優越感に浸っていられるのも、安全だと認識できるからに他ならない。
周囲の景色は大地の裂け目の北と南でほぼ変わらないというのだから、渡った瞬間修羅の国という事もないのは言うまでもない。
「これで首都まで真っ直ぐ進むだけだね」
「地図を見た限りだと、迂回した分の距離を足しても今まで辿った道よりは早く着くはずだ」
「ミャーも早く行きたいにゃ」
「ボクも数千年でどう変わってるかは気になるよ」
「私も同じです」
「……」
皆、思うところは様々ではあるものの早く首都を見てみたい気持ちは同じようだ。
俺もこの世界の主要都市というものがどの程度のものなのか気になっていた。
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