第495話「傷の痕」

「ディアナには獣人の拘束を頼む。ルナと二人で見張っていてくれ、すぺらと入れ違いになることもある事を考えれば入れ替わる形で合流してくれればいい。俺とユイナとバニティーは先に海に向かう」


「わかりました、何かありましたらすぐに戻ってきてください」


「そのつもりだ。どうもきな臭いんだよな。二人なら大丈夫だとは思うが、ルナは一戦交えた跡なんだから無理するな」


「心配無用って言いたいところだけど、身体が本調子じゃないのも事実だしね。その時は助けてもらう事になるかな……」


 首をさすりながらルナは言う。

 傷はもうほとんど消えているが、流れた血の跡が生々しく残っているのを見るとやはり人としての自覚はしているのだろう。

 

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