第345話「人は退屈には勝てない」

 無限にも続いた激痛も時間して一分と経っていなかった。

 その間再生と死滅の繰り返された回数は優に数万を超えている。

 それが理解出来るのは一連の流れが鮮明にゆっくりとスロー再生、否。


 時間が停止しているように視界に焼き付いて離れなかったからだ。

 膨大な時間の中で得たのは、圧倒的な恐怖に打ち勝つ精神耐性であることは明確であった。

 圧倒的な退屈というのは人の精神を破壊する。


 人は退屈には勝てない。

  


 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る