第291話「食後に思う」

 こんな形で料理を振る舞うなんて夢にもおもっていなかった。

 師匠から貰ったレシピもあり、技術があっても知識がないなどという事にもならずに済んだ。

 どこで何役に立つかなんてわかりはしないが、手に入れられるものなら手に入れておいて損などという事はない。


 特に胃袋を掴むという行為は閉鎖的な空間では特に意味を成すという。

 人間の欲望の一つが食欲。

 それを掌握するというのだから、無理もない。


 勿論、代役はいてもらわないと俺が困るのだが其の一旦を担う事はやぶさかではない。

 少なくとも当分の間はすべてこなせるくらいでちょうどいい。

 適材適所に役割を分担するのは各自の適性が定まってからでいい。


 今は戦闘に比重を置く。

 このつかの間の憩いの時間を守ることくらいして見せなければ、示し何てつくわけがない。

 後始末をしながらそんなことを考えていた。


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