第283話「時間は経つばかり」


 各自が集めた食材は当初に予想していたよりも遥かに多く、数か月は足りるのではないだろうかと思えた。

 兎にも角にもこのままでは鮮度が落ちてしまうので加工しなければ、せっかくの食材も今日一日ですら

もたず駄目になってしまう。


「これだけあれば当分は少量の心配もしなくてすみそうだな。正直驚いてる。みんな、ありがとう」


「にゃはは。ミャーがいればおちゃのこさいさいにゃ。もっと集めて来るにゃ」


 スペラは踵を返し走り出そうとしたが、それをユイナががっちりと掴み離さない。

 調子に乗るのは目に見えていたのだが、まさか飛び出していこうとするとはと呆れてしまう。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る