第243話「迷走する世界」

「そんなに急がなくてもいいんじゃないの? この辺りはモンスターもいないし」   


「確かに危険な反応はないが、それもいつまで安全なのかわかったものじゃない。どう考えてもこの世界は元の世界よりも危険なんだ。せめて人里にたどり着くまでは急いだほうがいい」


「アマト君がいう事はわからなくもないけど、そんなに張り詰めてると近いうちに緊張の糸が切れるよ」


「どうして、みんな冷静でいられるんだ。ちょっとしたことでも見落とせば死ぬかもしれないんだぞ!」


「アーニャ……怖いにゃ」


 スペラは俺の怒鳴り声に尻尾をぴんと伸ばし怯えて縮こまってしまった。

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