第48話『雪』

眼を穿つ


白き声


流れるる水に溶け


そぞろ歩く盲の巨児となる


群れをなす孤独という名の嗅覚


大地の乳房はがむしゃらにかじりとられ


天球は乳白色の汚泥と化した


分裂する狂気細胞


アルビノの双子の蝶


絶望を信じた神の息子たち


彼らは冬の壁に額を打ち付け


みずから砕け散り


凍える夢となり果てた


舞い落ちる白銀の鱗粉


さざめく命の肖像


――雪


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